小児皮膚科を受診される方へ

アトピー性皮膚炎、とびひ、いぼ、水いぼ、おむつのかぶれなど、お子さんに多い皮膚疾患を拝見します。
お子さんの皮膚は、大人に比べて非常にデリケートなので注意が必要であり、また、お子さん特有の皮膚症状も多く見られます。
そのため、しっかりと診察した上で、お子さんお一人お一人に合った方法で治療いたします。

主な症状や疾患

乳児湿疹

乳児(1歳未満)の時期に発症する湿疹を総称して乳児湿疹と言います。その中で最も代表的とされているのが、乳児脂漏性皮膚炎です。同湿疹が起きる原因ですが、乳児期は皮脂分泌が活発になるのですが、生後2~4週間の期間で皮脂腺が多いとされる頭部やおでこに紅斑や黄色っぽいかさぶたがみられ、次第にポロポロ落ちるようになります。かゆみなどの自覚症状は軽度にみられるという程度で、1歳を過ぎる頃には解消するようになります。治療については、脂漏部位(頭部、おでこ 等)を洗顔や洗髪によって清潔に保つほか、ステロイド外用薬を塗布するなどしていきます。

このほか、アトピー性皮膚炎も乳児のうちから発生するので、乳児湿疹のひとつに数えられます。さらに口周りの皮膚炎(よだれかぶれ:唾液や食物に含まれる成分が刺激となって起きるかぶれ)、食物アレルギー(食物がアレルゲンとなって発症するアレルギー症状)による湿疹というのもあります。

アトピー性皮膚炎

アトピーのお子さんの約60%は、血液検査をすると5大食物アレルゲンのどれかに陽性を示すことが知られています。しかし、実際に食べてみて皮膚が悪化するのは10%以下とも言われています。
そのため、その食物が原因の全てと考えることなく(その食物を除去することだけにこだわらず)、様々な可能性を考えながら治療を進めることが重要です。
また、夏場は冬のように空気は乾燥しませんが、エアコンの効きすぎによる湿度の低下で起こる乾燥が生じます。夏場であっても保湿剤を外用し、スキンケアをきちんと続けることがとても大切です。
乾燥肌に汗がつくとかゆくなり、肘や膝などの関節の内側や首のシワの所などに湿疹ができやすくなります。
掻きこわしをそのままにしていると、とびひなどの二次感染も起こりやすくなります。適宜、ステロイドを外用し、湿疹をコントロールしましょう。
尚、アトピー性皮膚炎の治療にあたり、ステロイドの塗り薬に抵抗をお持ちの親御さんもいらっしゃいますが、症状に応じて必要な量を必要な期間だけ使い、症状が軽くなったら薬を減らしたり、弱いものに変えたりしていきます。

とびひ

とびひは、あせもや虫刺されを掻きこわした傷、すり傷、ジクジクした湿疹などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染して起きます。
伝染力が強く自分自身で病変部を増やしてしまうだけでなく、兄弟、友人にも細菌のついた手を介して感染が広がっていきます。
特に肌に傷ができていたり、アトピー性皮膚炎などがあると容易にひろがり、重症化してしまいます。
とびひの治療は、抗生剤の飲み薬と病変部の洗浄です。
よく泡立てた石鹸を含ませたガーゼで病変をやさしく洗い、シャワーなどの流水で洗い流します。
消毒は必要なく、抗生物質の塗り薬やステロイドが入った塗り薬を外用します。浸出液をおさえるための亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。場合によってはかゆみや炎症を抑える飲み薬を服用します。
抗生剤は、細菌培養検査にて原因となる細菌を同定し、最も効果のあるお薬を処方いたします。

おむつかぶれ

尿や便に含まれるアンモニア、酵素などに皮膚が刺激され、おむつの当たるところに赤いブツブツやただれができます。
尚、炎症が高度で膿疱まで出来ている場合には、カンジダ皮膚炎の可能性があります。その際は膿疱の一部を採取してカンジダの有無を検査します。
おむつかぶれのみの際は、ぬるま湯でおしりを洗い、亜鉛華軟膏やワセリンを塗ります。また、ひどい時には弱いステロイド軟膏を塗ります。
過度な石鹸洗浄は皮膚のバリア機能がますます壊されるので控えましょう。

接触皮膚炎

よだれかぶれ

よだれとともに付着する食べ物による刺激、よだれを拭き取る際の摩擦刺激、拭き取ることによる皮膚の乾燥など、複数の要因が重なり、口の周りはもとより、頬などにも皮膚炎を生じます。
食事や授乳の前後に保湿剤を口周囲に外用すること、炎症が強い場合はステロイド外用も使用します。

植物によるかぶれ

お子さんは、日常生活で様々な植物と接触する機会が多く、植物が触れた部分をなぞるように線状に赤くなったり、水ぶくれができたりします。
原因となる植物はウルシ、ハゼ、ギンナン、イラクサ、最近ではガーデニングブームの影響で、サクラソウ、キクなどの報告も増えています。
被疑植物を避けるように、ハイキングなどでは長袖、長ズボンを着用することで対処することが。
治療はステロイド外用、かゆみ止め内服になります。

水痘・帯状疱疹

水痘

水痘は、麻疹に次ぐ感染力の強いウイルスで、飛沫感染し罹患者の約80%は5歳までに発症しています。
潜伏期は平均15日で、軽い発熱とともに顔面・体幹を中心に小紅斑が多発し、紅斑は速やかに赤い小水疱となり、水疱は徐々に膿疱化し、通常5~7日でカサブタ化します。
皮疹出現のごく初期では虫刺されと間違うこともありますが、お子さんの場合は予防接種をされていることも多く、一般に軽症ですが、皮疹の拡大のみならず、発熱やかゆみの軽減につながるため、積極的に抗ウイルス薬の内服薬を処方します。
水膨れが全てカサブタになり乾くまでは学校などを休む必要があります。

帯状疱疹

水痘は、麻疹に次ぐ感染力の強いウイルスで、飛沫感染し罹患者の約80%は5歳までに発症しています。
潜伏期は平均15日で、軽い発熱とともに顔面・体幹を中心に小紅斑が多発し、紅斑は速やかに赤い小水疱となり、水疱は徐々に膿疱化し、通常5~7日でカサブタ化します。
皮疹出現のごく初期では虫刺されと間違うこともありますが、お子さんの場合は予防接種をされていることも多く、一般に軽症ですが、皮疹の拡大のみならず、発熱やかゆみの軽減につながるため、積極的に抗ウイルス薬の内服薬を処方します。
水膨れが全てカサブタになり乾くまでは学校などを休む必要があります。